モーツァルト作曲「協奏曲 ニ長調」K.314の 第3楽章の山元版と技術練習です。
山元版は作曲者モーツァルトのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1a】メロディライン。1拍目に向けてクレッシェンドして、その後ディミヌエンドする。
【1b】クレッシェンドをスローモーションで練習する。
【1c】2度上の前打音から始めて付点8分音符のトリル、2つの32分音符を演奏すると、実際はこのようになります。[S1]は右手中指を押さえるF♯2のトリル運指。前打音と最後のF♯2は薬指による正規の運指で吹きます。
【1d】【1e】リズム練習。
【1f】【1g】モルデントを正確にハッキリ吹くための練習。
【2a】アーティキュレーションとトリルをスローモーションで練習します。トリルをたくさん入れる必要はありません。2度上からトリルを始めて止まったF♯の
時間が大切です。
【3a】【3b】トリルの練習。とちらもテヌートが付いた音の長さを確認します。[S2]はD♮3から左手薬指を離すトリル運指。
【4a】アーティキュレーションとトリルのためのリズム練習。
【4b】メロディライン。
【4c】メロディラインを目立たせるためのリズム練習。メロディラインを【4d】のように解釈する場合は【4e】のアーティキュレーションになります。
【6a】メロディライン。
【6b】~【6d】メロディラインを目立たせるためのリズム練習。
【7a】それぞれのスラーの最初の音符に重みを置いて、音が下がってきた時にも良い音質で吹くためのリズム練習。
【8a】~【8c】「k」から始まるダブルタンギングの練習。
【13a】~【13d】アーティキュレーションのためのリズム練習。
【14a】必要2つずつのスラーにハッキリとアクセントを付けるための練習。
【15a】F♯1の後でブレスを取らないで吹く事が可能であれば、このように演奏するのが良いと思います。
【17a】ディミヌエンドの練習。
【18a】倚音は、このように優しい重みを置いてからディミヌエンドします。