モーツァルト作曲「協奏曲 ト長調」K.313の第2楽章の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者モーツァルトのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
モーツァルトの時代くらいまでの作品ではスラー、特に短いものは、ほとんどディミヌエンドすると思ってください。
また、遅い楽章の長いトリルは、ゆっくり始めて次第に速くする事が多いです。
トリルの最初の1、2回は正しい運指で良い音質、良い音程を聴衆に印象づけましょう。
【1a】倚音を、このようなリズムで演奏する事も可能です。大切なのは倚音に確実に重みを置いて、続く解決音を、より小さく吹く事です。乱暴にならないように「優しさ」のある表現を心がけてください。フレーズの最後をディミヌエンドする時に最後のG2を短く吹いてはいけません。
【1b】メロディを均一な音質で吹けているかを長いスラーで確認します。
【1c】2つずつのスラーを確実にディミヌエンドで吹きます。
【1d】【1e】ディミヌエンドの練習。最後のG2の音質、音程もフェルマータで確認します。
【1f】フレーズとしてはクレッシェンドですが、それぞれのスラーはディミヌエンドして吹きます。
【3】トリルは前打音のC♯3を正しい運指で吹いた後に[S1]で右手のトリルキー(足部管側)を使います。
【3a】【3b】ディミヌエンドの練習。
【5a】【5b】それぞれのスラーをディミヌエンドして吹く練習。
【7a】倚音の練習。強さよりも優しさが大切です。
【9a】トリルを正確に入れる練習。トリルなしと同じリズムで吹けているかを確認します。
【9b】トリルを実音から始める場合は、このようなリズムになります。
【12a】倚音の練習。