シューベルト作曲「しぼめる花の主題による変奏曲」作品160 D802の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者シューベルトのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
第3変奏に関しては以下も参照してください。
Flexibility : Variation by Schubert - フルート上達の秘伝 (hatenablog.com)
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1a】音階のバッテリー折り返し練習。難しい音階ではないが丁寧に練習する事によって音質を均一化する事ができる。ピアノでも良い音質で吹く事ができるためにはフォルテの時と同じ構えの圧力と息の圧力が必要です。
【1b】音階の折り返し練習。音質のための練習。
【1c】【1d】同上。
【4a】幅広いダイナミックスを使ったディミヌエンドの練習。確実にディミヌエンドできているかどうかを良く聴いて確認する。
【4b】実際のダイナミックスでのディミヌエンドの練習。
【4c】スラーを付けた方が難しい。
【5】ブレス位置修正
【5a】大まかなメロディラインとダイナミックス。
【8a】メロディライン。
【8b】クレッシェンドとディミヌエンドの練習。
【8c】スラーとタイを付けた方が難しい。
【8d】楽譜通りの形で、ゆっくり練習する。
【9a】メロディライン。ダイナミックスとアーティキュレーションを強調する。
【9b】2つずつのスラーを確実にディミヌエンドで吹く練習。
【9c】さらに長いディミヌエンドを付けると実際には、このようなダイナミックスになります。
【10a】クレッシェンドとディミヌエンドの練習。
【11a】折り返しリズム練習。
【11b】慣れたら、このように上行形と下行形を繋いで繰り返して練習する。
【11c】~【11f】折り返しリズム練習。
【11g】上行形と下行形、それぞれの12個の音符を4✕3とみなして繰り返し練習する。
【11h】上行形と下行形を繋いで、さらに繰り返して練習する。
【11j】~【11p】さらにリズム変奏を使って練習する。
【12a】ダブルタンギングで吹くための準備練習。
【12b】ダブルタンギングでの練習。
【12c】装飾音の前のD♯3は短く吹いて装飾音と区別する。
【13a】【13b】1カッコのためのリズム練習。
【13c】【13d】2カッコのためのリズム練習。
【15a】高い音域で確実に美しくディミヌエンドして吹くための練習。まず、フォルテで極めてレガートで吹く。次は構えの圧力と息の圧力を変えないで息の量だけを減らしてピアノで練習する。
【15b】タンギングしてディミヌエンドを練習する。
【15c】スラーを付けてディミヌエンドを練習する。
【16】E3⇔F♯3のトリルは、まず正しいE3の指でタンギングした後に右手は薬指でトリルキーを押さえて、左手はA⇔B♮のトリルを行う。この方が親指でのトリルより鮮やかなトリルになります。フランスのフルート奏者は、この方が好きです。
【19a】メロディライン。
【19b】それぞれのスラーをディミヌエンドして吹く練習。
【19c】フレーズのディミヌエンドを加えると、このようなダイナミックスになります。
【20】の冒頭は【19】のリズムと違って3連符です。混同しないように。
【21】最後は付点音符と3連符です。正確なリズムで吹かなければなりません。
【23a】~【23d】リズム練習。Aisレバーを使った方が易しくなってリスクも減らす事ができます。
【26a】アーティキュレーションを目立たせるためのリズム練習。
【26b】最後は、まずトリルを付けないで練習する。
【26c】【26d】モルデントまたはターンで演奏する事になりますが、いずれの場合にも次のB♮2はタンギングしなければなりません。
【27a】アーティキュレーションを目立たせるためのリズム練習。
【27b】~【27d】同上。
【28a】【29a】アーティキュレーションを目立たせるためのリズム練習。
【30a】アクセントやテヌートは倚音である事を意識して重みをかけるつもりで吹く事。
【30b】倚音に重みをかけて、スタッカートを粗末に吹かないようにするためのリズム練習。
【32a】【33a】アーティキュレーションを目立たせるためのリズム練習。
【34a】【35a】スラーの最初を丁寧に長めに吹くためのリズム練習。
【36a】~【36c】リズム練習。
【36d】最初の3拍の12個の音を3✕4とみなしての練習。
【36e】~【36h】上記のリズム練習。
【37a】【37b】スラーの最初の音をハッキリ吹くためのリズム練習。
【37c】~【37g】リズム練習。
【37h】~【37m】高い音域の繰り返しリズム練習。
【43a】~【43c】リズム練習。
【43d】【43e】高い音域の折り返しリズム練習。
【43f】【43g】折り返しリズム練習。
【43h】高い音域でレガートとスタッカートの折り返し比較練習。スタッカートがレガートと同じ音質で吹けているかをチェックする。
【43j】中音域でも同様にチェックする。
【47a】~【47c】折り返しでレガート、テヌート、スタッカートで音質をチェックする。息の圧力が足りないとスタッカートが上手く吹けず、唇が固くなってしまう。
【51a】リズム練習。
【51b】【51c】「k」で始まるダブルタンギングのリズム練習。
【52a】【53a】リズム練習。
【57a】【57b】低いEに下降するための練習。
【57c】【57d】「k」から始まるダブルタンギングの練習。