フリードリヒ・クーラウ作曲「序奏とロンド」作品98の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者クーラウのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1a】音階の折り返しリズム練習。難しい音階ではないが、下降だけでなく折り返しでリズム練習する事によって音質が良くなる。
【1b】音域が低くなってきた時に音量が下がらないようにするための練習。
【2a】【2b】リズム練習。これも音域が低くなった時に弱くならないように気をつける。
【3a】【3b】折り返しリズム練習。
【3c】上行でのディミヌエンドのための準備練習。まずfで練習した後に息の量だけを減らしてpで練習する。息の圧力と構えの圧力を変えないように注意する事。
【3d】ディミヌエンドの練習。
【4a】「K」から始めるダブルタンギングの練習。ゆっくりとしたテンポで、レガートで良い音質を確認した後にテヌートで同じ音質である事を確認しながらタンギングする。
【4b】ややテンポを速くして練習する。
【4c】折り返しでの音質の比較練習。口の中を狭くしてスタッカッシモを意識する。
【5a】【5b】fpやアクセントをハッキリ表現するための練習。
【5c】アーティキュレーションをハッキリ表現するためのリズム練習。
【7a】レガートで良い音質である事を確認する。
【7b】奏法が安定している事を確認するための練習。お腹を張って息の圧力を高く保つ。
【8a】~【8c】装飾音をハッキリ発音するための練習。
【8d】「K」から始めるダブルタンギングのための練習。
【8e】奏法が安定している事を確認するための練習。付点音符にヴィブラートを付けて練習するのも有効です。
【8f】低い音域のダブルの音質を確認するための折り返し比較練習。息の圧力を高めて口の中を狭くする事。
【9a】~【9c】subit pをコントロールするための練習。
【10a】~【10c】装飾音をハッキリ発音するための練習。
【10d】ダブルタンギングで奏法を安定させるための練習。
【11a】音域が低くなってきた時に音質が悪くならないようにするためのリズム練習。
【11b】【11c】装飾音のための練習。
【12a】p dolceで良い音質で吹くための比較練習。fのパワーで息の量だけを減らしてpで吹きます。決して息の圧力と構えの圧力を下げてはいけません。
【12b】~【12e】ディミヌエンドのためのコントロール練習。常にfのパワーで吹きます。
【13a】アーティキュレーションのためのリズム練習。
【13b】下降の音形で音質、音量が下がらないようにする練習。
【14a】低い音域でのダブルタンギングの折り返し比較練習。
【14b】【14c】ダブルタンギングをpで良い音質で吹くための折り返し比較練習。
【15a】【15b】pやppで美しくディミヌエンドするための練習。
【18a】ダブルタンギングで安定した奏法を確認するための練習。
【18b】音域が低くなってきた時に音量、音質が下がらないためのリズム練習。
【18c】【18d】装飾音をハッキリ発音するための練習。
【21a】アーティキュレーションのためのリズム練習。
【22a】【22b】スタッカートのための比較練習。レガートとスタッカートが同じ音質で吹けているかをチェックします。
【22c】【22d】アーティキュレーションのための折り返しリズム練習。
【22e】アーティキュレーションのためのリズム練習。
【23a】ダブルタンギングを安定させるための練習。長い音符で音質と奏法の安定をチケットします。
【23b】E1を、しっかり鳴らすための練習。息の圧力を高めて吹いて、音質、音量を良く聴くようにしてください。