フュルステナウ作曲「音の花束」作品125、第8番の山元版と技術練習です。
山元版は作曲者のオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。また、連符の譜割りも変えてあります。
この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1a】メロディライン。わかりきっていても必ず吹いて意識する。
【1b】アーティキュレーション、メロディラインを目立たせるための練習。
【1c】それぞれのスラーの2個目の音符が本当に小さく吹けているかを確認する練習。
【1d】【1e】E1は必ず右手小指のE♭レバーを押さえる事。E1⇔C♯1は小指を押さえたまま滑らせる事になります。小指が良くトレーニングできていれば、このエクササイズは不要です。
小指のための日課練習Daily Exercises No.9 Training for Right Fourth Finger - フルート上達の秘伝 (hatenablog.com)
【4】オリジナル版ではトリルで書かれていますが、実際には1個しか入らないのでモルデントに替えておきました。
【4a】分割リズム練習。それぞれを良く練習した後に、つなぎます。◎のC♯3は直前のE3で小指を離して◎でC♯1のために早めにC♯レバーを押さえます。この運指によってC♯1不発のリスクを少なくできます。このような運指は日課練習では行いません。日課練習は「基礎編」、エチュードは「応用編」です。
【4b】リズム練習。
【4c】モルデントの練習。開始する音を確実にタンギングしてハッキリ発音できているかを確認する。
【5a】分割リズム練習。◎の区間はC♯レバーを押さえてリスクを減らす。
【5b】モルデントの練習。【4c】と同じ。
【6a】分割リズム練習。
【6b】モルデントの練習。
【7a】分割リズム練習。
【7b】リズム練習。
【8a】高い音から低い音に降りる練習。決してうつむかない事。
【9a】分割リズム練習。
【10a】分割リズム練習。
【11a】分割リズム練習。
【11b】【11c】小指のための練習。E1とG♯1は必ず右E♭レバーを押さえる。
【11d】リズム練習。
【11e】スタッカートがレガートと同じ音質で吹けているかを比較して確認する。