フィリップ・ゴーベール作曲「ノクターンとアレグロスケルツァンド」の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者ゴーベールのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを良く練習した後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1a】低音域を豊かな響きで吹くための練習。
【2a】ディミヌエンドの練習。
【2b】ディミヌエンドの分割練習。
【2c】ディミヌエンドを楽譜通りの形で練習。
【3a】ゆっくりディミヌエンドを練習。
【3a】楽譜通りに練習。
【4a】【4b】同上。
【4c】ゆっくりディミヌエンドを練習。
【5a】スラーの最後の音にテヌートを付けておきました。決して短く吹いてはいけません。ドヴォルザークの交響曲第8番も同じです。最後のスビットピアノは良くコントロールする事。
【6a】【6b】短いアーティキュレーションをハッキリ吹くためのリズム練習。
【6c】1拍ずつのスラーで音質を高めるためのリズム練習。【6】に戻っても同じ音質で。
【6d】【6e】低音域の音質と小指のための折り返しリズム練習。E♮1は必ずE♭レバーを押さえる。
【6f】6連符+9連符のためのリズム練習。
【7a】〜【7c】リズム練習。
【8a】ディミヌエンドの練習。
【9a】同上。
【10a】アクセントをしっかり付けてアーティキュレーションを目立たせた後、ディミヌエンドする練習。テヌートの付いたA♯1はフォルテで吹く。
【12a】分割練習。
【12b】リズム練習。
【13a】ゆっくりのテンポで、それぞれのディミヌエンドを確認する練習。
【14】2分音符のG2の後でブレスする人が多いが、この曲の冒頭のフレーズからすると、その次の2拍3連の最初のF2の後でブレスするのが妥当。このフレーズ最初のC2の前でしっかりブレスしておけば、その次のブレス、B♭2の後まで一息で吹く事ができる。
【15a】【15b】アーティキュレーションをハッキリ吹くためのリズム練習。
【15c】半音階のダブルタンギングの折り返し練習。
【16】6連符より、その後の4連符、5連符の方が遅い事に注意。
【16a】4連符+5連符+4連符のための分割練習。
【16b】6連符+4連符+5連符のための分割練習。
【16c】リズム練習。
【17a】【17b】装飾音を強く吹いて主音符を弱く吹く練習。
【17c】〜【17e】5連符を正確に吹くための折り返しリズム練習。