フルート上達の秘伝

短時間で最大の効果を上げる練習方法を公開しています

Flexibility 1a : Harmonics 1

「Flexibility」のカテゴリーでは、ウォームアップや音の向上に役立つエクササイズを載せていきます。
フルーティストはレパートリーやエチュード、オーケストラや室内楽のための練習を行わなければならないので、基本練習は、なるべく短い時間で終わらせたいものです。
理想を言えば、ウォームアップなしで最初から良い音で演奏したいものです。
それに近づくためには、自分の奏法をチェックして、力を入れるべき所に入れて、脱力すべき所を脱力したフォームを習慣付けていかなければなりません。
Marcel Moyseの「De la Sonorite」の半音進行で繰り返し付きのロングトーンを練習する方が多いかと思いますが、時間がかかってしまう上に効果的とは思えません。
また、B2の音から始めるのが良いかどうか疑問視する意見が多くあります。
モイーズ以降の、たくさんの名フルーティストは、より良い方法を提案しています。
ウォームアップはロングトーンから始めなければならないという決まり事はありません。
このカテゴリーの中で必要な物を選んで、自分に合う順序で行うのが良いと思います。

Flexibility Cover

 

 



 

Harmonics 1

 

ハーモニックスはウォームアップや奏法の改善に極めて有効です。
この「Harmonics 1」は初めてハーモニックスを練習する方のためのエクササイズです。
番号の付いた、それぞれのエクササイズは、常に最初の全音符の指使いで吹きます。
それぞれの前半はタンギングなし、ヴィブラートなしで吹きます。
後半のスラーはお腹の圧力の変化で音を移動させます。
圧力を上げるには腹筋を固めるのではなく、逆にお腹を張ってください。
上りのスラーでは唇を固めないように、逆に開けるように吹くと上手くできると思います。
くれぐれも息の流れを細くしないように気をつけましょう。
また、楽器を顎に、しっかりと固定しなければ唇に力が入ってしまい息の流れが細くなってしまいます。
最初のうちはp-ppで吹くと上手く吹けると思います。
慣れてきたら、いろいろなダイナミックスで吹いてみてください。
このエクササイズを練習する事によって、腹筋を固めるのではなく、常に腹筋を外に張って息の圧力を高める事が大切である事がわかると思います。