フリードリッヒ・クーラウ作曲「ディヴェルティメント」作品68 第6番の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者クーラウのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
無伴奏フルートのための作品ですが、クーラウ自身によるピアノ伴奏譜もあります。
【1】山元版には3連符の最初の音にテヌートが付いています。重みをかけて演奏してください。
【1a】テヌートに重みをかける練習。
【1b】ディミヌエンドの練習。
【1c】〜【1e】E⇔B♯、C♯⇔Eで小指を滑らせるための折り返しリズム練習。
【2a】ディミヌエンドの練習。
【2b】アルペジオのための折り返しリズム練習。
【2c】1オクターヴを滑らかに吹くための練習。テヌートの付いたEに重みをかけると吹きやすい。
【3a】小指のための折り返しリズム練習。
【5】テヌートの付いた音符に重みをかける。
【6a】折り返しリズム練習。
【7a】アーティキュレーションを目立たせるための練習。
【7b】折り返しリズム練習。
【10a】折り返しリズム練習。
【10b】それぞれのスラーを確実にディミヌエンドで吹くための練習。
【10c】【10d】スラーの2個目の音符を短く吹いてはいけません。ドヴォルザークの交響曲第8番の冒頭も同じです。確実にディミヌエンドで吹いて、短くならないようにしましょう。
【10e】スラーのない形も同様に気をつけます。
【10f】メロディラインを意識します。
【11a】【11b】『k』から始まるダブルタンギングの練習。
【13a】同上。
【16a】【16b】タンギングのリズム練習。
【17a】同上。
【18a】〜【18c】メロディラインを目立たせるためのリズム練習。
【18d】タンギングのためのリズム練習。
【20a】小指のための折り返しリズム練習。E♯⇔B♯は必ず小指を滑らせる。
【24a】【24b】タンギングのためのリズム練習。