フランシス・プーランク作曲「ソナタ」第1楽章の 山元版と技術練習です。
山元版は作曲者プーランクのオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1】C♯2⇔D♯2のトリルは2つのトリルキーのうち足部管側の物を使う。C♯3⇔D♯3のトリルでは2つとも使う。混同しないように。
【1a】吹き始める前に必ず1拍目からカウントして準備する事。
【1b】【1c】柔軟に吹くために、まずフォルテで練習して、その後フォルテのパワーのままピアノで練習する。構えと息の圧力を絶対に落としてはいけない。
【1d】【1e】音階の折り返し練習。難しい音階ではないが、折り返し練習を行う事によって音質が向上する。
【1f】【1g】7連符を均等に吹くための練習。
【1h】確実にディミヌエンドするための練習。構えと息の圧力を落とさないように注意して息の量だけを減らす。
【2a】極めてレガートでオクターヴ降りる練習とA♭2で音色を変える練習。
【2b】柔軟に吹く練習。C♮3で右手中指を押さえたままにしておくと楽器が安定してレガートが容易になります。
【3a】スタッカートを良い音質で吹くために、まずレガートで練習する。
【3b】スタッカートに、しっかり息を入れる練習。
【3c】リズム練習。
【3b】前半の折り返しリズム練習。
【3c】後半の折り返しリズム練習。
【3f】「S1」のC4は、かなり音程が高くなるので右手中指のリングキーだけを追加する。「S2」のE3は右手小指を押さえなくても良い。
【4a】ダブルタンギングの連続をピアノで美しく演奏するために、まず、レガートで練習する。
【4b】次にテヌートで練習する。
【5】F♯3⇔G♯3のトリルは左手親指と人差し指を使う。
【5a】【5b】7連符を均等に吹くための練習。
【6】リズムとアーティキュレーションを楽譜通りに正確に吹く事。
【6a】8分音符単位でカウントして正確なリズムで練習する。
【7】正確なリズムで吹く事。
【7a】スビットピアノのための折り返し練習。
【8a】正確なリズムで吹く事。E♮3⇔F♮3のトリルは音程が狭いので、最初の1回は正しい指で吹く事。トリルをゆっくり始める必要はありません。
【8b】音質とダイナミックスの確認。
【9a】音階の折り返し練習。ピアノになっても良い音質で吹く事。
【10a】最後に遅くなる所での、ジュリアス・ベーカー氏の方法。4分の4拍子にして4連符を16分音符で吹く。