フルート上達の秘伝

短時間で最大の効果を上げる練習方法を公開しています

Furstenau : Bouquet des Tons No.21

フュルステナウ作曲「音の花束」作品125、第21番の山元版と技術練習です。

山元版は作曲者のオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。また、連符の譜割りも変えてあります。

この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。

これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。

他にも良い方法が、たくさんあるはずです。

参考程度にご覧頂ければと思います。

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 p.1

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 p.2

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 p.3

 

以下は技術練習になります。

具体的な攻略方法の提案です。

【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。

【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。

ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。

それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.1

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.2

 

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.3

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.4

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.5

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.6

 

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Furstenau : Bouquet des Tons No.21 Ex p.7

 

【1】複前打音は正しい運指で吹きます。最初からトリルの運指を使うと音質、音程の悪さが目立ちます。オリジナル版では、たくさんの連符で書かれていますが、練習を始める時は、このように、たくさんの連符を分割して丁寧に練習して、最後に自由に名人芸風に仕上げる事が大切だと思います。この部分は山元版では6連符に分割しています。

【1a】【1b】リズム練習は指だけではなく、音質を良く聴いて改善するのに有効です。

【1c】【1d】4連符に分割した場合のリズム練習。

【2a】【2b】リズム練習。

【2c】【2d】4連符に分割した場合のリズム練習。

【3a】リズム練習。

【4a】リズム練習。

【4b】【4c】右手小指の練習。小指のトレーニングが十分できている人は、このエクササイズは不要ですが、H足部管は、あまり使わない最低音を毎日良く鳴らしておく必要があります。

Daily Exercises No.9 Training for Right Fourth Finger - フルート上達の秘伝 (hatenablog.com)

【5a】分割リズム練習。あまり難しい音階ではないが、音質向上のために練習する。

【5b】高い音域の折り返しリズム練習。

【5b】4連符での折り返しリズム練習。

【6】オリジナル版では折り返しで音価を変えていますが、山元版では、このように分割して音価を変化させてみました。いずれにしても、最終的には自然なアッチェルランドで吹くべきです。

【6a】~【6e】いろいろなリズムを正確に良い音質で練習する。

【6f】~【6h】高い音域で折り返しリズム練習。

【6j】半音階の、折り返しリズム練習。

【7】自然なアッチェルランドで吹くべきです。オリジナル版にクレッシェンドはありませんが、フォルテに向かってクレッシェンドすべきでしょう。

【7a】affetuosoの小節の2拍目のトリルはAisレバーを使うと簡単です。「N」の付いたA♯は右手人差し指の正規の運指、「Ais」の付いた音符と範囲はAisレバーを使います。直前のE3から練習しましょう。

【7b】次の小節のターンの練習方法です。

【7c】「N」は右手人差し指、その拍のC♯2で親指を離すので次のA♯「+」からはブリチャルディキーを使う。最後のF♯3「〇」でブリチャルディキーから元の位置に戻す。

【8】E3⇔F♯3のトリルは複前打音を正規の運指で吹いた後に右手中指で足部管側のトリルキーを押さえて左手はA⇔B♮のトリルを行う。左親指でのトリルよりも鮮やかになります。フランスのフルーティストは、このトリルの方を好みます。

【8a】【8b】リズム練習。

【9a】【9b】リズム練習。

【10】A♯2⇔B♮2のトリルは後打音のためにAisレバーで行い、その後はブリチャルディキーを使うと簡単です。

【11a】リズム練習。

【12a】メロディライン。

【12b】メロディラインを目立たせるためのリズム練習。最後はD♯1の後に「Low B」あたりで小指をBローラーに早めに移動して最低音のB♮の準備をする。

【13a】すべて豊かな響きで鳴らし切る練習。装飾音の最初に小さいアクセントを付ける。