フュルステナウ作曲「音の花束」作品125、第14番の山元版と技術練習です。
山元版は作曲者のオリジナル版にブレス、ダイナミクス、アクセント、テヌート、速度表示、発想記号などを加えてあります。また、連符の譜割りも変えてあります。
この楽譜を使用される場合は、必ずオリジナル版と比較して、私が付け加えた意図を理解してください。
これは表現のための、ひとつの方法に過ぎません。
他にも良い方法が、たくさんあるはずです。
参考程度にご覧頂ければと思います。
以下は技術練習になります。
具体的な攻略方法の提案です。
【1a】【1b】などのリハーサルナンバーは、それぞれの部分の効果的な練習方法です。
【1】⇔【1a】、【1】⇔【1b】のように【楽譜通りの形】と【変奏】を行き来して練習してください。
ひとつのリハーサルナンバーに複数のエクササイズ(繰り返し記号)がある場合は、それぞれのエクササイズの最後の音と次のエクササイズの最初の音が同じになっておりますので、繰り返しをせずに繋いで練習することが可能です。
それぞれのエクササイズを4回以上吹いて技術を定着させた後に、最後のエクササイズ→1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ→2つ前のエクササイズ+1つ前のエクササイズ+最後のエクササイズ、といった「さかのぼり練習」も大変効果的です。
【1】変ホ短調にはC♭やG♭3があるのでブリチャルディキーを使う事は難しいのですが、使った方が簡単になったり、リスクを下げられる場合は使えない所を避けて使いましょう。ここではG♭3の後でブレスを取る時に親指をブリチャルディキーの位置に移動します。+印を付けておきました。そうすると7連符のアルペジオが簡単になります。
【1a】6連符はAisレバーを使ってC♭の時だけ離すと右手人差し指での正規のB♭で吹く時より簡単に吹く事ができます。
【1b】ブリチャルディキーを使って吹くので難しいアルペジオではありませんが、折り返し練習を行う事によって音域が上下しても良い音質で安定して吹く事ができるようになります。リズム練習も応用すると、さらに効果的です。
【1c】低い音に降りる練習。唇を固くしたり、うつむいたりしない事。
【2】スラーの最後の8分音符は短く吹いてはいけません。テヌートを付けておきました。
【2a】メロディライン。必ず吹いてみる事。
【2c】普通、スラーはディミヌエンドで吹く事が多いのですが、この場合はスラーの最後にメロディラインの音がありますので、しっかりとアクセントを付ける練習をします。
【2c】~【2h】ブリチャルディキーが使えない難しいアルペジオですので折り返しリズム練習で丁寧に練習します。
【2j】さらにバッテリーリズム練習を行うと指の連結に効果的です。
【2k】アルペジオから低い音に降りる練習。
【3a】アルペジオの練習。指だけでなく音質、音程に注意する。
【3b】【3c】ディミヌエンドの練習。スラーを付けた方が難しい。
【4a】【4b】リズム練習。音質を均一化するのに有効です。
【4c】音価を4倍に書き直しただけです。まず4分音符単位で練習して慣れたら2分音符単位で練習します。
【5a】Aisレバーを使う練習。F3に上がる時に人差し指が忙しいのですが、正規のB♭で吹くよりは易しいと思います。
【5b】メロディラインをしっかりと鳴らす練習。
【6a】まず、トリルなしで練習します。
【6b】~【6d】リズム練習。
【8a】アルペジオの折り返し練習。
【8b】アルペジオから低い音に降りる練習。
【8c】音価を2倍に書き直しただけです。落ちついて練習します。D♮2に重みをかけて吹いた方が良いでしょう。テヌートを付けておきました。